将来の目標を具現化することができる 充実の研究環境

●神田外語大学大学院言語科学研究科1年 徐梦姣さん

 言語には、それぞれの文化によって多くの違いが存在します。 どんな言語であれ、異文化の者がそれを習得していくことは容易なことではありませんが、母国語との相違点を学び、理解し、 自国にないものを吸収していくプロセスは非常に魅力的です。私は中国で過ごした短大・大学時代の5年間、 日本語を専門として学び、新たな学習の方向性を求めて日本に留学してきました。

 元々、将来は日本語力を活かして人のために役立ちたいという願望があり日本語学校に在籍している頃からメディア関係や日本語教員の仕事に興味を持っていました。ただ、いずれの方向を目指すにせよ、 日本語の文法や語彙に対する専門的な知識がなければ、自分のキャリアイメージは形にならないと考え、 大学院で日本語そのものを探求する道を選んだのです。

 一口に日本語といっても研究対象は様々ですが、 私は動詞を専門のテーマとして研究したいと思っていました。そして、その方面のスペシャリストである先生が神田外語大学大学院で教え ていらっしゃることを知り、この大学院に興味を持ちました。日本語の動詞は前後の文脈によって変化し、中国語にはない形態をとります。 外国人学習者にとって最も難解な点ですが、動詞こそが日本語の根幹を成す部分であり、しっかりとマスターできれば、 自分の日本語に対する理解も格段に深まると確信していました。

 私はメールで大学院に連絡を取り、説明会に足を運びました。 意中の先生とじかに話をし、それまで何となく漠然としていた日本語学習に対するスタンスが明 確になり、目標を具現化することができそうな感触を得たのです。大学院に入学する以上は、考え方のベースが自分と同じで、 関心のあるテーマを共有する先生の下で指導を受けるのが理想と言えるでしょう。なぜなら修論やリポート、 発表等に取り組んでいく上で、先生の教えを起点として、新たな課題を自分なりの視点から検証していくことが出来るからで す。私はそうした理想の学習環境を、このキャンパスに来て初めて手にしました。入学して半年が経過した今も、 神田外語大学大学院と出会えて本当に良かったという思いです。

 大学院によるサポートは、学習面だけに止まりません。 外国から単身来日し学生生活を送っている留学生は、時として不安や心細さを感じることもありますが、 ここでは大学院の先生や共同研究室のスタッフの皆さんが優しい心遣いを欠かさず、普段から何でも気兼ねなく相談できるので、 マイホームにいるような安心感に満たされています。思い起こせば、大学院の入学試験日に、今でも忘れられない出来事がありました。 当日はあいにくの大雪に見舞われ、交通機関が乱れて、試験時間に間に合うか不安でいっぱいになっていたところに、 大学院事務室の先生から直接、電話連絡を頂きました。受験生一人一人に対して、 ここまできめ細かくフォローしてくださる思いやりに感動すると共に、進学するならこの学校しかないとその時心に決めたのでした。

 これから残りの学生生活の中で、国内外の教育実習にもチャレンジして、 将来は母国で日本語教員になるのが目標です。外国人の日本語学習者が直面する問題点や指導上の課題をしっかりと把握し、 新たな解決法を見い出していけるような教員を目指したいと思います。そのためには社会人としてのキャリアを積んだ後、 改めて博士課程で学び直すことも一つの選択肢として考えています

 私と同じように、これから日本語を仕事にしたいとか、 日本語教員を目指したいという後輩の皆さんは、まず日本語の基礎をしっかりと身につけることが何より大切です。 時間的・経済的な余裕があれば、語学学習だけではなく、地方を旅行したり、博物館や美術館を回ったりして見聞を広め、 日本の文化に触れる機会を多く持つことも有益だと思います。そして自分の目標をなるべく具体化し、楽しみながら学ぶことこそが、 留学生活を充実させる秘訣なのではないでしょうか。

 

 

日本語教師の夢を実現するために 


■神田外語大学大学院(修士課程) 言語科学研究科 日本語教育学コース 2010.3修了生 李 雷さん

留学生なら誰もが、日本に来て日本語を勉強し始めた最初の時期、大きな壁にぶつかります。母国で何百時間か日本語を勉強していた人でも、来日後、洪水のように日本語を聞いたり読んだりする環境に身をさらされると、戸惑ってしまいますし、一生懸命勉強していたとしても、日本人が話す速度にはすぐには反応できないケースが多くあります。自分の経験を振り返ってみても、日本語のマスターにはかなり苦労させられた思い出があります。その最大の原因は、来日した当初は日本人と接する機会がほとんどなく、アルバイトなどでようやく日本人と一緒に働くチャンスを得ても、日本語力に自信がないため、今度はコミュニケーションに億劫になってしまいがちになったことだと思います。

そんな私が、今では大学院(言語科学研究科)で日本語教育を専攻するまでに成長しました。ここまで、日本語の力を飛躍的にアップさせることができたのは、ひとえに、神田外語大学の学部と大学院で学んだ 5 年間の蓄積が大きいと思います。私が神田外語大学を選択したのは、自分の将来を見通したときに、年齢などを考慮すると、大学を卒業しても一般企業などへの就職は難しいと判断し、今自分がもっている強みを最大限に生かす道は日本語教師しかないという結論からでした。そして日本語教員を目指そうと真剣に考え始めたときに、夢を実現するための実力を身につけられる環境が、学部から大学院に至るまでシステム的に整っているのは、神田外語大学だけであると確信しました。

まず第1に、神田外語大学では、学部だけでなく大学院でも、各留学生の学習パートナーとして日本人学生がサポート役に付いています。これが「チューター制度」と言われるものです。学部では、留学生は普段の講義や留学生活、レポート作成などで困っていることや悩んでいること、分からない点を、同世代の日本人チューターに何でも気軽に相談できるので、日本語の指導を日常的に仰ぐことができるだけでなく、留学生にとっては大きな精神的支えともなっています。

第 2 に、神田外語大学は徹底した少人数クラスで講義を行っており、留学生もこうした環境で学べますので、日本人学生と共同発表をしたり、いっしょにその準備作業を行ったりすることが必然的に多くなります。学校に行って講義を受けるだけで、多くの日本人学生と自然な形で親しくなれる学習環境が整っているのです。

第 3 に、日本語教員を養成するための専門的な日本語カリキュラムが、学部から大学院に至るまで段階的に設けられています。

学部教育では「日本語教員養成プログラム」として、必修科目が 1 年生から 3 年生までにあり、最終年次に近付くと実習科目が、多く組まれます。実習科目の「模擬授業」では、学生同士がチームを組み、それぞれが自分で考え準備した日本語の授業を皆の前で披露します。通常のテキストなどは使わず、学生が自分たちで作り上げた手作りの教材を使っての発表となります。そしてその後はビデオなどを使って先生方や他チームにも内容を見て貰い、各自が改善点や反省点などを指摘し合って、日本語を教えるとはどういうことなのかを実習形式で覚え込んでいきます。実際にこうしたトレーニングを経て、もともとは人前で話すことが苦手だった私も、自分にしかできない日本語授業を披露することができるようになっていきました。

しかしホンモノの日本語教師を目指すには、まだそれだけでは足りません。最近は日中両国ともに高学歴社会を迎えており、中国でも日本語教師になるためには、大学院修士以上の学歴が不可欠となっています。そこで、大学院に進学することに決めました。大学院では、提出する論文やレポートの中身においてハイレベルなものが求められます。神田外語大学の場合、大学院でもチューター制度が設けられていて、修士課程の留学生に対しては、博士課程や修士課程を修了した人がレポートの作成法や正しい日本語表現について丁寧にアドバイスや指導を行ってくれるので、とても集中して研究に励むことが出来ます。

私の場合は大学院修士課程(言語科学研究科日本語学専攻)で、日本語教育を専攻していますが、今最も気にかけているのは、常に「学生の視点に立って」日本語を教えるということです。私の日本語レベルは、日本人ネイティブや日本人教師にははるかに及びませんが、それでも留学生としての経験から、これまで日本語学習者がどのような面で苦労してきたのかについては、日本人以上に深く理解しているつもりです。特に中国では近年、日本語の学習人口が急激に拡大しており、大学だけでなく現地日本語学校などでも、今後、日本語教育のニーズが高まっていくことは確実でしょう。近い将来そうした最前線で、私も日本語教師として活躍できることを願っています。

これから大学院への進学、あるいは日本語教師を目指したいという後輩の皆さん。自分の努力は決して嘘をつきません。苦労しても努力を重ねていけば、最後にはきっと良い結果が得られるでしょう。自分の夢を叶えるために、全力で頑張ってください。

私も応援しています。

 

 

ことば・言語教育を学ぶなら、神田外語へ


■神田外語大学大学院(修士課程) 言語科学研究科 日本語教育学コース 2009.3修了生 李 妍さん

  私が日本に関心を持ったきっかけは、日本語を話せる祖父母と、日本に住んでいる叔父の存在でした。幼少時から日本語を耳にする機会が多く、また身の周りの電器製品や得られる情報も日本のものが多かったですね。日本留学は、中国で短大卒業後2年間ほど働いた後に、自分に不足しているものを補いたいという気持ちから決断しました。

日本語については、日本語学校在学中に、日本語能力検定1級を取得しました。「読み、書き、聞き、話す」という日本語の構成要素の中で、私が最も好きなのは「話す」ことでした。もともと自分の言葉で表現するのは得意な方なのですが、来日したばかりの頃は、自分の思った通りに日本語を使いこなせなくて、相手の人に誤解されてしまった苦い経験があり、以後はとにかく話相手に分かってもらえるまで話すことを心がけるようになりました。普段から一人でいる時も、様々なケースを想定しながら自分の言葉で言いたいことを自分なりに表現する訓練を積みました。今振り返ってみて、こうした勉強方法が自身の日本語の上達に役立ったと思います。

私は学部を選ぶ段階で、神田外語大学に進学しようと思いました。当時通っていた日本語学校で神田外語大学の進学説明会が開催される機会があり、大学の先生から直接具体的なお話を聞くことができたのです。その時に印象に残ったのは、神田外語大学には日本語に加え英語ネイティブの先生と英語で交流できるスペースが学内に設けられるなど、複数の言語を同時に学べる環境が整っていることでした。また現在とは異なり、当時は在籍している留学生数が少なく、私にとっては、外国語だけの日常生活に身を置くことができる神田外語大は、ベストの選択だったのです。

学部に入学後は国際コミュニケーション学科に在籍していたので、話す力やコミュニケーション能力を高めるためのプログラムが充実しており、「日本語プレゼンテーション」という講義では他の学生や先生方の前で発表する機会を与えられ、私はその準備に多くの時間をかけました。私としては、どうしても人前で自信を持って学習成果を披露できるようになりたかったのです。こうした努力の積み重ねにより日本語力が飛躍的に向上したことは確かですが、私はこの頃から、一般的な日本語教育というのがコミュニケーション能力の養成に偏りがちで、肝心な基礎部分の習得がおろそかになっているのではないかという疑問を感じ始めていました。本来、日本語を教えたり学んだりする上では、土台となるはずの文法こそが最も重要であり、そこをしっかりとマスターしなければ、正確な日本語を話したり教えたりすることはできないからです。

私の場合は学部在学中に、大学が設けた「日本語教員養成プログラム」を履修し、日本語教師に興味を持ったこともあって、引き続き大学院で日本語教育を専攻することにしました。たまたま学部の卒業論文が自分でも納得のいくものではなかったので、自分の研究成果をこのまま中途半端な形で終わらせたくない、という気持ちも強かったのです。

早いものでその大学院生活もすでに2年目となり、現在は修士論文の作成に入っています。論文のテーマは、「中国語を母語とする日本語学習者による『〜ておく』の習得に関する一考察」です。内容は日本語を母語としない中国人が、日本語学習のプロセスで直面する習得上の課題についてです。日本語の「〜ておく」という言い方には、「彼を放っておく」「あらかじめ準備しておく」のように全く異なる用法があります。こうした区別について、外国人であるが故に、片方の用法しか知らないケースや、知っていてもどういう局面で使うのかが判断できない人も少なくありません。私は、学内などで実際に外国人学生を対象に実施した独自調査の結果をもとに、修士論文の中でこうした課題に対する論証を試みています。    

研究活動や論文作成の過程においては、大学や先生方が全面的にサポートして下さり、非常に心強いです。神田外語大学の大学院は徹底した少人数教育制度を採っているので、先生方の存在がとても身近で、普段から何でも気軽に相談でき、また疑問・質問に対する回答や助言が即座に得られるのも嬉しいですね。神田外語大学の先生方は、普段から学会で論文を発表するなど非常に学術レベルの高い方ばかりなので、その指導内容には圧倒的な説得力があります。また論文の事前調査では大学の国際交流課が協力者探しに力を貸して下さったり、チューター(日本人の相談員)が日本語のチェックをして下さったりと、まさに至れり尽くせりです。日頃から先輩方のアドバイスもあり、大学が様々な形で支えてくれるので、安心して研究に励むことが出来ています。      

とはいえ、やはり少人数の大学院ですから、甘えは許されません。発表の時などには、留学生でも基本的に日本人学生と同じことを要求されますし、先生方の期待も高いので、プレッシャーは小さくありません。私はそれを逆にエネルギーに変え、日本人学生に負けないよう頑張ろう、という気概をもって日々努力しています。      

ですからこれから大学院に入ろうという後輩留学生の皆さんも、大学院を目指す以上は、決して中途半端な気持ちではいけないと思います。また逆に、自分は能力が低いからと考えて簡単にあきらめる必要もありません。大学院に入ってから自分の視野を広げ、そして考えてきたことをさらに質の高いものに変えていけるように、入学前から本当に自分が学びたいものは何なのかをしっかりと整理しておくことが大切でしょう。

神田外語大学大学院の場合は、研究可能な分野が日本語と英語に限られていますが、逆に言うなら言語学や外国語教育に関心のある人にとっては、これほど最適な大学院はありません。日本語学・日本語教育学と英語学・英語教育学が同時に学べますし、また、自分の目標に沿って努力すれば着実に力がつきます。この素晴らしいキャンパスで、私もさらに自分を成長させ、高めていきたいと思います。